H24年度 - フィンランド,アアルト大学 滞在報告

吉田研修士前期課程2年 西田 翔



2012年10月15日-11月30日までの一か月半の間、私はフィンランドのヘルシンキにあるアアルト大学に滞在した。
我々のグループは第一原理計算を用いて物質の電子状態を計算している。私の研究は、層状BNと閃亜鉛構造型BN間の構造相転移の計算である。その層状BNにおいて弱い相互作用であるファンデスワールス力を考慮して計算を行いたいと思い、アアルト大学にファンデスワールス力を考慮した計算を行っている方がいらっしゃるという事で今回の留学に行かせて頂けることになった。

アアルト大学のnieminen教授
アアルト大学のnieminen教授

ヘルシンキの気候は日本よりも2か月進んでいるという印象を受けた。つまり、10月半ばに着いたのだが、その時には既に気温は一桁の日々が続き日本で言う12月ごろの印象を受けた。天候はこの時期のヨーロッパは特にそうらしいが、曇天模様が続いた。私の到着した週においては1週間曇天であったと記憶している。また、フィンランドは高緯度に位置しているため日照時間が短い。帰国間近の頃には8時半ごろに明るくなり始め、夕方4時ごろには真っ暗の空模様であった。そのせいか、本格的に暗くなる前に帰るために人々はメリハリのついた働き方をしているように見受けられた。暗くて長い冬を過ごす為に、室内には暖かみを取り入れるために見た目のデザインも暖かみのある雑貨も多く、またキャンドルに至っては世界一の消費量を誇っている。それだけでなく、暮らしている人も日本人と似ているような礼儀正しく、どこか恥ずかしがり屋のようなところもあり暖かみのある人が多かったように思える。

私は大学の研究グループの一室で研究活動を行っていたのだが、気付いたことがある。それは本当にメリハリをとって研究活動を行っているという事である。例えば、研究室以外にも団欒の部屋があり、そこに休憩する人は集まりおしゃべりをするといった具合である。そこには冷蔵庫やコーヒーを作る機械もおいてあり、私もよく昼食後にコーヒーを飲まないか、と誘われた。しかし、いざ研究に移ると皆すっと自分の世界に入っていくのだ。そして、本格的に暗くなり始める頃に帰り始める。この事に大変感心を覚えた。
研究としては、お世話になった世話人の方が開発されたファンデスワールス力のファンクションを用いて再計算を行い多くの結果を得ることが出来た。


世話人のTorbjorn博士

日本とは違う、日本語の通じない環境の下で、日本人一人で研究を行う事に行く前までは不安を覚えていた。しかし、実際に行ってみると世話人の方はじめ皆さん、本当に親切でわからないことも丁寧に指導してくださり、その不安もすぐに解消した。研究が進んだことももちろん有意義であったが、それ以外の点、例えば文化の違いや働き方の違い、一人で海外で暮らすことの大変さなど多くの事も学べて有意義であった。
余暇を利用してオーロラを見に行くツアーに参加したり、サンタクロース村へ行ったりと充実した日々を過ごすことができ、研究活動以外も楽しく過ごすことが出来て本当によかった。

サンタクロース村にて。
トナカイのソリに乗りました。